10月1日(木)は中秋の名月!月のサイエンス
もうすぐ秋分の日ですね。
最近はぐっと涼しくなり、夜には虫の鳴く声が聞こえてくるようになりました。だんだんと秋が訪れているを感じますね。
秋に行うイベントのひとつに、お月見があります。
お月見とは、昔の暦で8月15日にあたる日の満月である「中秋の名月」を眺めながら、お団子を供えたり、いも煮を食べたりする行事のことです。
一年を通して月は観察できますが、秋の月はほかの季節と比べて眺めるのに特に適しているため、人々に親しまれてきました。
月は季節によって、南の空に昇る高さが違っています。
これは、地球が自転する回転軸が、地球の公転する面や月の公転する面に対して、垂直から少し傾いているために起きる現象です。

こちらのイラストのように、冬には自転運動の回転軸が太陽から離れるほうに傾いています。
そのため、北半球にある日本は、太陽と反対の位置に来る満月に対して近づき、月が夜空の高い位置に昇ることになります。
反対に、夏には回転軸が太陽側に傾くため、日本は月から離れたところに来ます。このとき、満月は夜空の低い位置に昇ります。
エキスポセンターでは、中秋の名月に合わせて9月末まで、つくまるステーション「お月見パーティでうさぎさんとダンスをおどろう!」のコーナーで、うさぎの耳をつけたテクノ筑丸くんと一緒に写真を撮ることができます。

このように、お月さまを見てうさぎを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。これは、月の表面に見える黒っぽい模様が、うさぎに見えることからくる連想です。
日本や中国などの東アジアではうさぎとされることが多いこの模様ですが、ほかの地域では、大きなハサミを持つカニや、女性の横顔などに見立てられています。
この月の模様は、月の表面に現れている岩石の種類がちがうために見られるものです。月の白い部分は斜長岩という岩でできているのに対して、黒い部分は玄武岩という、マグマが冷えて固まった岩石でできています。
玄武岩からなる「海」とよばれるこの黒い部分は、今から40億年ほど前、いん石が月に衝突してできたクレーターに、月の内部にあったマグマが広がったためにできました。この「海」の形が、うさぎやカニの姿に見えるのですね。

さて、ここからは月に関する科学をご紹介していきましょう。
月に関する実験といえば、1969年に月に着陸したアポロ11号などがあります。
日本からは2007年9月に、「かぐや」という月の周りをまわる人工衛星が打ち上げられ、およそ2年間、月の周りをまわりながら観測を行いました。

「かぐや」という名前は、かぐや姫の昔話にちなんでつけられたものです。
「かぐや」による2年間の観測データは、10年以上たった今でも解析が進められています。その結果、月の地下に残る大きな空洞が発見されたり、8億年前に小惑星のかけらが大量に月と地球に落ちたことがわかったりしています。
このような研究成果を通して、月の成り立ちに関する謎が解き明かされているのです。
エキスポセンターの2階展示場には、月周回衛星「かぐや」の1/50スケールの立体模型が展示されています。ご来館された際には、こちらの展示もぜひお楽しみください。
昔から、人々は月を見上げては、かぐや姫のようにさまざまな思いをいだいてきました。
今年の中秋の名月にあたる10月1日には、みなさんもきれいな月を見上げながら、月の不思議に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
▼中秋の名月についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
▼月周回衛星「かぐや」についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。