スーパーコンピュータ「京」が来た!その1
つくばエキスポセンターの2階展示場では、有人潜水調査船「しんかい6500」や、国際宇宙ステーションなどなど、最先端の研究で使われている実験装置が紹介されています。そんな2階展示場に、臨時休館中の3月下旬、新しい展示が完成しました。
スーパーコンピュータ「京」の計算機筐体がやってきたのです!

「京」とは、神戸市にある理化学研究所計算科学研究機構の建物の中で稼働していたスーパーコンピュータです。864台の計算機筐体と20万本以上のケーブルで成り立っており、昨年の8月に約7年間の任務を終えました。今回つくばエキスポセンターにやってきたこの計算機筐体は、その864台のうちの1台です。1台だけでも幅80 cm×奥行き95 cm×高さ206 cmという大きさがあり、正面のパネルには、書道家の武田双雲さんが書かれた「京」のロゴが大きく入っています。
とはいえ、スーパーコンピュータって何?どんなことをする装置なの?
と思った方もいらっしゃるかと思います。そこで、ここではスーパーコンピュータ「京」について学んでいきましょう。
コンピュータとは、電子回路を使って複雑な計算を大量に、かつ高速に行うことができる装置のことです。(ここでいう計算には、数式を解くだけでなく、文章を作る、絵を描く、動画を再生するなどが含まれています)。ご家庭やお仕事で使っているパソコンのほか、スマートフォンやタブレット端末、ゲーム機もコンピュータの仲間です。

そのなかでもスーパーコンピュータとは、とてつもなく速い計算を行うことができるコンピュータのことです。たとえばこのスーパーコンピュータ「京」では、1秒間に最高でなんと10,000,000,000,000,000回の計算を行うことができるのです!といわれても、0が多すぎてわかりにくいですね。
この数字は、家庭用のパソコンが1秒間に行うことができる計算回数のおよそ10万倍です。
スーパーコンピュータ「京」は、世界で初めて1秒間に1京回の計算を達成したスーパーコンピュータで、この計算回数が「京」という名前の由来の一つになっています。
ちなみに、スーパーコンピュータは「京」だけでなく、国内にも海外にもたくさんのスーパーコンピュータがあります。国内では、筑波大学のCygnusや高エネルギー加速器研究機構のSuirenのように、さまざまな大学や研究機関が専用のスーパーコンピュータを持っていて、研究活動に利用しています。海外では、アメリカが開発したSummitのように、1秒に20京回の計算を達成したものもあります。
ということで、スーパーコンピュータとはなにか?についてお話してきました。
ところで、こんなに速い計算ができるコンピュータは、何をするために作られたのでしょうか?
次回は、スーパーコンピュータでできることについて考えてみたいと思います。
参考資料