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変幻自在!炭素のふしぎ

炭素は、わたしたちにとって最も身近な元素の一つです。名前の漢字にもあるように、バーベキューで使う炭に多く含まれていますが、生き物の体にも、食べ物や薬にも、紙にもプラスチックにも、布製品やゴム製品にも炭素は入っています。身の回りのものは、炭素が入ったものだらけですね。そのほとんどは酸素や水素も入っている化合物ですが、炭素だけでできているものもいくつかあります。
炭素だけの物質の中でわたしたちが一番よく見かけるのは、エンピツの芯に使われている黒鉛です。黒鉛とは、炭素が並んでできた薄いシートがたくさん積み重なってできているものです。エンピツの芯が紙にこすれると、この薄いシートが次々にはがれて残されていきます。エンピツで紙に文字や絵が書けるのはこのためです。また、黒鉛は電気を通す力も持っているので、マンガン乾電池の中身などに使われます。


次にわたしたちになじみがあるのは、ダイヤモンドでしょうか。高価な宝石で、傷がつきにくいことでも有名なダイヤモンドは、炭素が温度の高いところでぎゅっと押しつぶされることで作られます。それにしても、黒いエンピツの芯と透明できれいなダイヤモンドが、同じ炭素からできているというのは不思議ですね。
ダイヤモンドは人工的に作ることも可能で、金属やガラスを削るヤスリとしても使われます。また、炭素以外の材料を混ぜると色がついたり電気が流れたりすることから、電子部品やセンサーに使う新しい材料として注目されています。


つくばエキスポセンター2階展示場
NVセンター・ダイヤモンド(右):紫外線により赤い蛍光が見られる
窒素含有合成タイヤモンド(左):紫外線により黄緑色の蛍光が見られる


フラーレンという物質は、炭素がサッカーボールのような形に集まってできているもので、つくば科学万博が開催された1985年に発見されました。球の直径がおよそ1ナノメートルというとても小さな物質ですが、さらに小さなものをその中に閉じ込めることができるため、新しい薬の材料として期待されている物質です。
フラーレン発見の6年後、NEC特別主席研究員の飯島澄男さんによって発見されたのが、カーボンナノチューブです。こちらは、炭素でできたシートがくるっと丸まって、直径およそ1ナノメートルの筒になった形をしています。カーボンナノチューブにはいくつもの特長があり、丈夫なためゴルフクラブの材料に混ぜられたり、電気を流す力を生かしてタッチパネルのフィルムに使われたりと、すでに実用化が進んでいます。


最後に、炭素の粒が2つだけつながってできたC2という物質をご紹介します(Cは炭素を表すアルファベットです)。C2は、ろうそくの炎の中や宇宙では見つかっていましたが、今年5月、東京大学などの研究グループが室温での合成に初めて成功しました。C2は、フラーレンやカーボンナノチューブの材料になることから、今回の研究でフラーレンやカーボンナノチューブの応用がさらに進むことが期待されます。そう遠くない未来に、フラーレンやカーボンナノチューブがもっと身近なところに使われるようになっているかもしれません。


参考資料

エンピツのしくみ

マンガン乾電池の炭素棒のはたらき

炭素電話

ダイヤモンド量子センサー作成のプレスリリース

フラーレンの発見

フラーレンの医療分野への応用

カーボンナノチューブ開発の歴史

カーボンナノチューブ入りのゴルフクラブ

カーボンナノチューブ入りのタッチパネルフィルム

C2の合成のプレスリリース

 

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